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1月も気付は中旬。
時の流れの速さに恐怖を抱くこの頃。
皆様どうお過ごしでしょうか?


忘れた頃にやってくる『百花春風-風の章-』第2話。
ようやく完成。
宣言したのはいったいいつのことやら……


第2話の主人公は桂さん。
というか木戸さん。

時は明治10年あたりだと思われます。

冒頭からヒステリック気味に悪口言う木戸さんから始まります(笑)

いつものごとくグダグダと長いです。

ネタバレ満載なのでたたみます。
読んでくださる方は続きからどうぞ。













第2話 吹花擘柳
主人公:桂小五郎


・桂と医者と思い出と

「うわああああああ!
 くそ江藤ォ ぼけ西郷 大久保のエロヒゲェ!」


と、布団にくるまって悪口言う木戸さんを見かねた松子さんがよんだ医者は…
なんとあの高杉晋作にそっくりでした。
とまどいながらも医者に、昔から長く生きようとは思っていないのでかまうなという木戸さん。
ではなぜ今まで生きてきたのかと問う彼。

「僕が面倒を見なければ死んでしまうような阿呆な奴らがおったからです
 松下村塾の吉田松陰……そして高杉晋作」


彼に晋作の面影を重ねながら、木戸さんは昔話を始めます。

度胸試しで首切りを見に行く風習があり、怖くて足が動かず桂さんにおぶってもらった晋作少年

「エラそうなガキじゃった…気が荒く友達もおらんでな
 あいつが数少ない友達の久坂に文を出した時のことじゃ」

『久坂に文を出したのに返事が来ない どうにかしてくれ木圭』

高杉さん…そんなことで桂さんに手紙書くなんて……
貴方と違って(コラ)お二人は忙しいんですよ。
ほんとにこの手紙はあるのかしら。また時間があれば探してみます。
ちなみにそれを聞いた晋作似の医者の反応は

「なんとせんさいな方でしょう……」

と泣くほど感動(笑)
このしれっと阿呆な感じもそっくりだと桂さん


・「桂」と医者と松陰と

医者は語る。
支那では「桂」の木は月の世界に在る「理想」を表す木
「桂小五郎」という青年が「木戸孝允」として日本を背負う

松陰は語る
桂小五郎は己のためになにを為そうとは出来ない人
己から目をそらす為に誰かの力になろうと心を尽くす
大いなる樹となる人
炎の中に立ち続けながら枯れぬ樹 根は深く地に伸び水をたたえ人が憩う影をつくる
その種はこぼれ荒野に緑を芽吹かせる
それが長州と日本を救う道と為る


・不満と悪夢(笑)と革命と

元治甲子の変により燃え盛る京都から逃げ伸びた桂さんを待っていたのはもちろんあの人

「木圭!!よう帰ったな。
 よかったよかった。そこで木圭に相談じゃ。
 薩摩の西郷と和解してくれ!!
 がんばれ薩長同盟!!
 必殺!!バクフカイメツ大作戦じゃ!!」


桂さんの肩をぽん!と叩きながら、とんでもないことを言い出す高杉晋作。
これにはさすがの桂さんも大爆発(笑)

(こ……コイツ本気か。薩摩に直接やられた僕に頭を下げろと!?
 てめーが自分で下げろ!!恥辱で死ね!!)
 

……こんなこと言う桂さん、始めて見ました。
たまりにたまってたんでしょうな……
というか、桂さんじゃなくても怒るよ晋作さん(笑)
薩長同盟も終わり、疲れ果てて「もう死んでやる…!!」と決意するがあの人は許してくれません。
それどころか

「まだじゃ!死んだら化けて出るぞ木圭……!!」…と脅す始末。

あまりの悪夢(笑)に伊藤を呼びつけます。
ここから一転シリアスでございます。

自分の後は伊藤にやれという桂さん。
しかしちょっとした言葉で伊藤を傷つけてしまいます。

伊藤 「足軽なんて侍ではないからと あなたはいまだ『侍』として僕を見る!
    身分を捨てられぬ!何のための革命だ…!!」


「すまん……君は僕より自由だと……そう言いたかったのだ……
   なあ伊藤君、先に死んだ奴は幸せだな
   新しい世に生きる絶望を知らぬ……」


なんて言うのかな……身分のことは自分なんかは軽々しく語れない、今でも遺恨が残る問題なので置いときます。
でもきっと桂さんは、俊輔が思うより身分にはこだわりは無いとは思うんですよね。
もともとは医者の身分であったわけだし。たまたま容姿に出た先が武家であったわけで。
あくまで自分の想像というより願望ですが。

革命への信念がなく、滅びるべき「侍」のまま、ただ生きている。
そういう自分が嫌で、もう死にたいと呟く桂さん。
しかしそんな桂さんをこの世に引き止め、怒りを爆発させるのはやっぱりこの人、高杉晋作。

「木圭、また逃げるのか?」

『また』とはなんじゃ!?
  四国へ逃避行したのは誰じゃ!!
  望東尼様のところに逃げ込んだのは誰じゃ!!
  革命をほっぽらかして英国に逃げようとしたオマエに
  何故僕が『逃げの小五郎』と言われにゃならん!」


またまた不満が爆発した桂さんに、その原因は「なんかゴカイがあるようじゃな」としれっと一言。

  「薩長が同盟することに無理があった!!
   僕はその尻ぬぐいをしているのだ!!
   おまえはいつも僕に尻ぬぐいをまかせて逃げる…!!」



その尻ぬぐいをしてきた、彼を始めとする村塾生たちの殆どは、自分を置いて逝ってしまった。
もう充分じゃないか。
お前たちのところへ、逝かせてくれ。

生きることに疲れてしまった桂さんに、彼は優しく微笑み、静かに言葉を告げます。

「木圭は、人のためにしか何も出来んお人じゃからのう」 

その微笑みとその言葉に桂さんは松陰先生と重ね、高杉さんは言葉を続けます。

「木圭は幼き頃養子となり家督を継ぎ、ふたつの家を支えてきたからじゃろう
 世が見えすぎて早くに諦める
 情に流されず勝てる戦を考える
 その醒めた心が長州を救い僕を戦わせてくれた……
 『攘夷』の無理も分かっていながら僕らのために戦い続けた
 あの日を思い出してくだされ
 君が今死ぬるなら日本は血の海となる
 民の自由と理想のために命をかけた戦いは、まだ終わってはいないのです
 死ぬなら戦って死んでください」



貴方がいたから、僕らは戦い続けることができた
桂小五郎という大樹があったから、僕らは安心して走り続けることができた
僕らの戦いは終わったけれど、貴方の戦いはまだ終わっていない
貴方は決して戦いから逃げていたのではない
貴方は貴方自身の土俵で戦っていた
その戦いはまだ終わっていないのだ
死ぬならば、自らの戦場で



・桂と懺悔と約束と

晋作からの激励を受け、桂小五郎改め木戸孝允は再び自らの戦場に戻ることを決意。
大久保とともに江藤新平の「佐賀の乱」を鎮圧する。
近代国家は果のない犠牲を求め、彼は哀しみの涙とともに懺悔を述べる。


「ずっと君に詫びたかった事がある
 君が死んだ後、僕は奇兵隊を潰した
 武士の身分を失った彼らは山口で反乱を起こした
 君と共に戦い、君の葬列を共に見送った友たちを僕は殺した……!!
 僕は許されまい
 青春を踏みにじった」



奇兵隊の反乱。
まだきちんと勉強していないので詳細はわからないんですが、鎮圧の指揮を執ったのが桂さんで。
維新が成り、そこまでの犠牲を考えるともう仲間だからという理由で踏み止まることなんて出来ない。
いや、してはいけないんですよね。
使い捨てたとか見捨てたとかいう声もありますし、彼らの遺族からしたら当然なんでしょうが。
桂さんが辛くないはずないんですよね。
何の証拠もないけれど、そうあって欲しいという自分勝手な願いだけれど。


懺悔の涙を流す桂さんに対して高杉さんは

「もうええよ
 僕が君でもそうした……
 そんな事で滅びる青春ではなかった
 友の想いは強くあざやかに、今でも輝いておる
 木圭、それを見失ったまま死んではならぬ
 そして、西郷が暴れだすのを止めてくれ」


静かに爽やかに、なだめるように言葉を紡ぐ高杉晋作。
しかしそこは高杉晋作。
ただでは終わらず、最後の一言がみたび桂小五郎の怒りに火をつけました。
二度ある事は三度ある(笑)


「……ちょっと待て……
   今……さくっとまた僕に指示しなかったか…?」


「ああ、西郷が暴れだしてな
   木圭よりさらにタチの悪い病みたいじゃぞ!
   あいつは郷土愛が強すぎる怪獣じゃ
   薩摩と政府は大戦争になるじゃろう
   止めてくれ!」


さらりと言われる、とんでもない事。
でもさすがに疲れたのか(笑)、桂さんの怒りはそこまで爆発しませんでした。
良かったね、高杉さん。


「俺は……オマエのワガママをきく為に生まれたみたいじゃ……」

「木圭は尻に根が生えちょるからわしが決めてやっておる
  そのほうが楽じゃろう
  二年後の五月じゃ!
  じゃあまたな……!!」


最後まで、何様俺様高杉様でした。
二年後の五月、という約束を取り付けて。
西南戦争が起こり、桂小五郎が人としての生を終える時。
その時まで「生きろ」と。

その約束をきちんと守り、直接的に止めることはできなかったけれど、
あとを大久保さんや井上・伊藤たちに頼み、桂小五郎はその人生を終えます。

その時にようやく「もういいよ」と言ってくれた高杉さんと共に、世界を見守ります。



以上、第2話でした。
ホントにグダグダと長くなってしまいました。
最後は疲れて雑になりました。
なんか桂さんのキャラが面白くて、一番好きな話です。

ではこの辺で。


<引用>
朔田浩美『百花春風抄 風の章』 講談社 2011年

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